MECHANISM 

〈 久しぶりについたアメブロコメントより 〉 


これってすごく怖くないですか?

はじめまして。先ほどクリアしました。すごくおもしろかったです。アニメ映画一本見終わって映画館から出てきた時くらい満足感ありました!ありがとうございます。それで、クリア後のEXを読んだときに感じた些細な疑問なんですが、ティノやレアが人工知能デバイスに移ったときって、元々入っていたメカニカルブレインの方の人格というのは、どうなってしまったのでしょうか?いく姿を見送ったことになりますよね? EX内で、メカニカルブレインと汎用型人工知能デバイスの差異として、自由意志の有無が語られていましたよね?

例えばティノが、自由意志を持つことのできないデバイスに、コピーする形で入れられたのだとしたら、自由意志を持った本物は、自由意志を持たないもう一人の自分が脱出して(レアも、物語の中で、人間の器に入ることができましたが、過去に同じような体験をしたと思いますが・・・) これって、すごく怖くないですか?アイ博士のように、本人は脱出し、疑似人格の方は残しておく・・・みたいな使い方だったら、まだ分かります。でも、逆に、疑似人格を脱出させて、本人の方が残るってことになったら、すんごいホラーだと思うんです。


ティノやレアの場合、自由意志を持てる本体の方のメカニカルブレインは、持っていけなかったんですよね・・・。なので、その辺りの裏設定みたいなものって、あるのかな~?・・・というのが、些細な疑問として残りました。ゲームなので、深く考えない方が良いのかもしれませんが、そのようなことを思い、感謝のついでに書き込んでみたしだいであります。



本気でお答えします

人工頭脳メカニカルブレインから汎用型人工知能デバイス、

そして人型アンドロイドへの移行の仕組み


John Doe
汎用型人工知能デバイスとは
高硬質な鉱石で覆われた汎用型人工知能デバイスの中には、電子構造を必要とせず、情報を無尽蔵で蓄積出来る「水性式媒体」が沈着しています。それには様々な機械や機器をコントロールできる「自由意志を持たない人工知能プログラム」が搭載されています。


John Doe
メカニカルブレインとは
高硬質な素材が覆うメインフレームの中に、人工知能デバイスと同じ「水性式媒体」があり、その中には人の脳や遺伝子を元に培養された「自由意志を持った人と同じ脳構造」が搭載されています。人工知能デバイス含めてここまではEXでティノが話している内容です。


John Doe
人工知能デバイスとメカニカルブレインの違い
何となく気づかれたかもしれませんが、この2つには決定的に異なる点があります。汎用型人工知能デバイスは演算型の一般的な「プログラム」であり、メカニカルブレインは人の脳構造を元に培養された「人工頭脳」です。つまりメカニカルブレインは能でありカタチある物質なんです。


John Doe
メカニカルブレインから人工知能デバイスへの移行方法
共通点は同じ「水性式媒体」が沈着していること。前提がそろいましたのでメカニカルブレインから人工知能デバイスへの移行方法をお話しします。まずグラヴィスでのブランクのデバイス生成時、素材に「水性式媒体」はなかったと思います。


John Doe

「脳構造」をカタチ取っているのはその「水性式媒体」。レアが開示した「専用プロトコル」からティノをデバイスへ導くとき、グラビスのように物質を分離させながら転送を行い、デバイス内で再生、強重力をかけて1000/1までサイズを圧縮・小型化させています。


John Doe

つまりデータ移行ではなく物質転送のため、メインフレーム内に能は残りませんし、逆に残ったら失敗です。レアも同じように移行しています。なお、相対性理論によりデバイス内の時間は通常よりゆっくり流れていますが、その辺はメカニカルブレインなのでしっかり調整しています。


John Doe
人工知能デバイスからアンドロイドへの移行方法
人型アンドロイドの中に「水性式媒体」は存在しないため、デバイス内の能構造をアンドロイドの能に構築(反映)させます。レアの言うコピペです。完全移植になりますので、過去船員が願った本当の人間になれています。そして胸元のデバイスとアンドロイドの能、同じ能構造が2つ存在することになります。ちなみにメカニカルブレインよりキャパが増えているのと、提供者の遺伝子もそのまま残っていることから、移行後変化が強く見えたのはそのせいもあります。


John Doe
まとめ
お分かりかとかと思いますが、物語に本物の人工知能デバイスは登場していません。とはいえデバイス時は言語は別として付属の「デバイスフォルダー」が出来る出力までですので、機能的には本来の人工知能デバイスとそんなに差はありません。それともしメカニカルブレインがプログラムの延長線上のものだったら自由意志は存在しませから、人としての温かみも少し冷めてしまいますよね。いろいろ言葉足らずですが、なんとなくご理解頂けたら幸いです。





〈 お 礼 〉

このご質問をいただいたときは、本気のやる気スイッチが入るほどうれしくなって、
新たに図を起こすなど無我夢中でまとめました。久しぶりに楽しかったです。
ご質問いただき本当にありがとうございました。

2018/5/29 MANMARU*KUMA



※なお、キャラクターイメージ保護のため、
人工頭脳イメージはかなりデフォルメされています

こちらの質問も多かったので一緒にお答えします




EXPRESSION 


〈 汎用型人工知能デバイス時のレアとティノの表現の差 〉




John Doe
レアの場合
デバイス時のレアとティノにはそれまでの経緯による感情差があります。レアはドックに残されて電力がなくなるのと同時に停止し、その後主人公によって目覚めたとき一部の記録と言語機能にプロテクトをかけています。主にネットワーク機能の停止、すなわち「つながり」を遮断していることと、自分は意志を持たない単なる人工知能プログラムであるという自己否定により少し淡々とした言葉使いになってます。
John Doe
ティノの場合
ティノは長く稼動してきたことからすでに完璧な悟りを開いているので、滅多なことでは動じません。マジメ気質なのとすべてを諦めていることから、主人公やレアにとっとと脱出しろとせかしている感じです。ただレアが再起動したときにティノはその変化に何となく気がつきます。そしてデバイスへの道が開かれ、主人公とレアの会話を聞いたとき... 移行理由はただレアが心配というだけではありません。